Painter 11 での手法とサブカテゴリについて、どのような描画になるか、手短かにまとめてみました。ブラシ設定 XML ファイルでの記述に使われる pen-type も含めたリストは 手法・サブカテゴリ 一覧 にあります。
手法が プラグイン のものについては、プラグインブラシの種類と効果 のページを参照してください。
テクスチャを反映するサブカテゴリについて、名前のなかに ソフト とあるものは、テクスチャを ネガ反転 したものを描画し、粗さ の数値が大きいほどテクスチャを強く反映します。すなわち、平坦な描画から テクスチャが浮き出る 度合いになっています。100% でテクスチャ量が最大です。
名前のなかに ハード とあるものはテクスチャをそのまま描画し、粗さ の数値が小さいほどテクスチャを強く反映するとともに、粗さ が 0 ではほとんど描けなくなります。この動作は Painter の古いバージョンでは Penetration(顔料が用紙の凹凸に食い込む度合い)と表現されていたもので、上記の「ソフト」の場合とまったく違います。顔料が用紙の凹凸にまったく付着しない状態の「粗さ 0」から数値を上げていくと、テクスチャに乗る顔料の量がふえる という動作になります。0 では描けないので、10 から 20 あたりでテクスチャ量が最大になります。
名前に「Grainy Edge Flat / フラット+濃厚+テクスチャ」とあるものは描点の周囲のみにテクスチャが出ます。ただし、ストロークは描点の連続であり、描点が重なり合う部分があるので、ストロークとしては内部にもテクスチャが出ます。「粗さ」スライダの反映は「ハード」に準じます。
名前に「Grainy Flat / フラット+テクスチャ」とあるものは、ブラシの先端の形状を無視して平坦な円形で描画します。テクスチャの明暗を反転して反映し(「ソフト」と同じ)、テクスチャの量は「粗さ」設定に関係なく一定です。
重ね塗り は Painter に特有のブラシ手法。他のペイントソフトにある「乗算」と同じく、すでにある色を覆い隠さずに、その上に色セロファンを重ねるように色を濃くしていくが、「乗算」より鮮やかな発色になる。「乗算」では色を重ねるときに、すでにある色と上から重ねる色を「掛け算」で計算するが、重ね塗り では「指数計算」を使うらしい。(このあたりの動作は、レイヤーの「合成方法」の「乗算」と「フィルタ」の違いと同じ。)
右は、選択した色とその色での「重ね塗り」手法の鉛筆とマーカーの描画例。
ストロークを重ねると選択色の黒成分が蓄積されていくので、同じ場所で重ねると最後には黒になる。例外は黒成分のないカラートライアングルの右上の辺の上の色。色を選ぶときには目的の色よりカラートライアングルで少し左上(少し明るく、少し彩度が低い色)にすると、少し重なったときに意図した色に近くなる。
塗潰し はもっともベーシックな手法。機能が少ないペイントソフトでも、この方式のブラシは附属している、よく見かけるタイプのブラシ。Painter ではその基本にテクスチャの表現が追加されている。
Painter XI.5 で 独立したツール としての「消しゴム」が追加された。それより前の Painter では、消しゴムは「色を消す特殊なブラシ」という扱いで、「鉛筆」や「チョーク」のように画材として持ち替えて使うものだったが、独立したツールになった「消しゴム」は 特殊な存在 で、ブラシの種類が水彩やリキッドインクのように特殊なレイヤーに描画するものでも、インパスト(盛り上げ塗り)があるものでも、すべてを消去する。
いっぽう、ブラシ手法の 消しゴム は以前のバージョンの機能を引き継いでおり、種類もたくさんある。水彩やリキッドインクなど「のみ」を消せる、特殊ブラシ専用の消しゴムは、それぞれの手法のバリエーションとして存在するので、「消しゴム」手法のサブカテゴリには入っていない。
Painter 7 で新たに搭載された水彩エンジン。Painter 6 までの「旧水彩」はいったん廃止され、この「新水彩」で置き換わった。ストロークの色の粒子が計算にしたがって流動するアニメーションつき。後のバージョンで「ぼかし処理待ち」オプションがついて、ストロークを追加中は水彩処理アニメーションを止めることも選択できるようになった。
「新水彩」は「旧水彩」とはまったく描画結果が違い、Painter 6 までの水彩の愛用者から強い不満が出たので、とりあえず似た塗りかたができる「ティント」ブラシカテゴリを Painter 7 のアップデータで追加。Painter 8 では「旧水彩」を再現した「デジタル水彩」が新たに搭載された。